前触れもなく不思議な巫女さんに会った。
闇とオーラに包まれる中、純白の衣に朱色の袴で身を包み、艶やかな黒髪を後ろに結わえている。顔ははっきりと見取れるのだが、全然知らない赤の他人。恐怖は感じない、むしろ興味をかきたてられる。巫女さんは私の顔をじっとみつめてからこう話しかけた。
「六千円であなたの将来を占ってあげるわ。」
あまり突然のことで、どうしたらいいのか分からなくうろたえてしまった。鑑定料を手渡した記憶がないまま、巫女さんは訳のの分からない呪文を唱えながらお払い棒を振り始める。暫くして、占いを終えたのか再び口を開いた。
「結果は言うまでもないわね。」
意味ありげにニッコリと微笑み、スーッと闇の彼方へ去っていった。何ともいえない癒しをもらったような気がする。心の隅っこにあった汚れが真っ白になっていくのを体で感じとっていた。いつか彼女みたいな巫女になってみせると心に誓うのだった・・・。 |