H変容原理


夢解釈の第九原理は、夢の場面に見られる様々な変容の技術を解読する事。
これを「変容原理」と呼ぶ。

誰もが経験するように夢には、通常の常識を超えた表現が見られる。
夢の登場人物が別の人物や物に「変身」するケースのほかにも、夢の場面や構造物には「隠された意味」があることも多い。

変容現象が起きる理由は、潜在意識の情報処理の仕方が表面意識のそれとは違っているからで、夢の表現をする際に、ある種の翻訳がされるからだといわれている。
翻訳はその時々でルールが違うため、夢の内容をそのまま鵜呑みにすると単なる誤解に陥る。
夢の中では、知識の体系が「ゆるむ」ために、通常のルールを外れた連想が働き、日常では考えられない変容が起きやすいことを覚えておくこと。

あなたも自分の夢に発生する変容の例を見出して、そこに見られるルールを探り出そう。

精神分析の創始者フロイトもこのようなことを言っている。

「夢は心の深層にある願望の偽装された充足」

そして夢の仕事には次のような働きがあるとしました。
@圧縮(複数の事柄が一つになって現れる)
A置換または移動(重要な願望がさほど重要でない形になり現れる)
B象徴(性的な欲望などが他のイメージに翻訳される)
C劇化(形のない心理が目に見える形に視覚化される)

フロイトの説明が現在でも妥当かどうかは別として、分類自体は夢の変容をとらえる参考になる。
四種の例があなたの夢に見られるかどうか点検すること。
変容原理を理解するには表面意識の理屈にむりやり翻訳して理解する事に執着せず、夢の表現を自然のままに受け入れて理解する事を試みてみよう。


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